ジンジパインって何???? | 倉敷市の歯医者なら桑鶴歯科医院。お口の健康をお手伝いします。News
こんにちは桑鶴歯科医院です。
タイトルのジンジパイン・・・なんだか甘くて美味しそうな響きに聞こえますが・・・これ、最強と言われる歯周病菌 P・G菌(ポルフィロモナスジンジバリス菌)の産生する毒素の名前なんです。全く美味しそうなものではありません。
歯周病菌には様々な種類があり、そのトップに君臨するものをレッドコンプレックスと呼びます。PG菌はその一つ。
PG菌のもつ強力な武器は、ジンジパインと線毛です。
線毛は、細菌の周りに生えている細い毛のことで手足のように使います。それにより細菌同士で手を組みデンタルプラークと言われるバイオフィルムを作ります。バイオフィルムの中は酸素が少なく唾液の抗菌作用や内服の抗菌薬が届きにくい場所で、細菌が住みやすい環境でマウスウオッシュなんかも効果がありません。
また、線毛によりPG菌は自ら動いて歯肉の細胞内に侵入します。
ジンジパインは、PG菌の持っているたんぱく質分解酵素です。線毛によって歯肉の細胞内に侵入したPG菌は、ジンジパインによって様々な悪影響を起こします。
・コラーゲンなどの正常な歯周組織を破壊して、歯周ポケットを深くしたり歯肉退縮を起こします。
・止血に関わるたんぱく質を分解して、出血を促しPG菌の食べ物であるタンパク質と鉄を手に入れます。
・炎症を活発化させ、体が細菌と戦う免疫成分を分解して歯を支えている骨を溶かします。
・最近ではアルツハイマー型認知症の原因であることも分かってきています。
PG菌は、単体ではお口の中に住み着くのは苦手な菌ですが、デンタルプラークや深い歯周ポケットの中で菌数を増やします。
自覚症状が無いから自分は大丈夫と思っていても、自覚症状が出るころには病状が進行しているのが歯周病の怖い所!
数か月おきの定期的なメンテナンスとご家庭での、正しいセルフケアでしっかり予防できます。いつまでも美味しく食べるために気を付けてあげましょう!